取組事例など

春日部市の取組事例などから

不登校を経験されたかたのお話(その2)

 今回は、中学校1年生から不登校を経験されたかたのお話です。「B」さんといたします。

 このパネルディスカッションの時点では、Bさんは、大学卒業ののち、現在はお仕事をされています。

 質問は、春日部市教育委員会教育相談センターの臨床心理士さんです。

 司会役としてパネルディスカッションに参加しています。

質問1:背景理解のため、不登校になった経過を教えてください。

B:中学1年生の夏休み前から学校に行くのが怖くいなっていきました。母親にも話しました。

 まるまる1年間は自宅で過ごしました。

 中学2年生では、夏から秋にかけてさわやか相談室に週1~2回の登校していました。

 中学3年生では、毎日、さわやか相談室に登校できるようになりました。しかし、クラスに戻ることはありませんでした。

 高校からは授業をきちんと受けられるようになりました。

 

質問2:不登校解消のきっかけを教えてください。

B:何年も前のことなので思い出すのは難しいですが、最初は、相談室登校がきっかけではなかったかのと思います。

 家にいるよりは、学校のさわやか相談室に行って、学校に行くリズムを取り戻すことになりました。これが重要であったと思います。

 相談室登校によって、「高校進学希望」ができるようになったと感じています。

 塾やそのほかの場所だったら、もしかすると高校に行けなかったかもしれないと思います。

 

質問3:会場の皆さんにひと言お願いします。

B:学校に行かない選択をしている皆さんへ。

 学校の意味は、仲間や友だちをつくることです。

 自分が反省しているのは、友だちづくりができなかったことです。

 進学先で様々な仲間づくり、友だちづくりを大切にしましょう。

 社会に出ると、それがよくわかります。

 今回の体験談はいかがでしたでしょうか。

 さて、次回も「不登校を経験されたかたのお話」第三弾です。

 明日、5月26日(火)午前10:00アップロード予定です。お待ちください。

不登校を経験されたかたのお話(その1)

 春日部市では、毎年度2月に「不登校を考えるシンポジウム」を開催しています。

 そのシンポジウムの最初にパネルディスカッションを実施しています。不登校を経験されたかたを複数パネラーにして、自身の体験を語っていただいています。

 今回は、その体験談の一部をご紹介いたします。ここ数年間のパネルディスカッションのなかからご紹介いたします。


 今回は、中学校1年生から不登校を経験されたかたのお話です。「A」さんといたします。

 このパネルディスカッションの時点では、Aさんは大学生になられています。

 質問は、春日部市教育委員会教育相談センターの臨床心理士さんです。

 司会役としてパネルディスカッションに参加しています。

質問1:差し支えない範囲で、不登校となった経緯や背景を教えてください。

A:小学校のときに、クラブ活動でいっしょだった友だちに意地悪をされていました。中学校入学後も、その子と同じような状況になっていました。その人間関係の困難さによって、中学校1年生の6月から不登校となりました。

 

質問2:不登校の解消のきっかけは?

A:中学3年生から適応指導教室に通うようになりました。その教室に同じように通ってくる子たちが、学校に登校できるようになっていく姿が刺激になって、学校の相談室に登校できるようになっていきました。これがきっかけではないかと思います。

 

質問3:適応指導教室へはどのような経緯で通室するようになったのですか?

A:行きたくはなかったのですが、親を心配させたくなかったからです。また、同じように適応指導教室に通うほかの子たちも、同じような仲間だと思えてたからです。

 

質問4:まとめとして、今このパネルディスカッションを聴いている会場の皆さんにメッセージをお願いします。

A:中1から中3まで不登校でした。親にも周囲にも迷惑をかけていたと思っています。

  中3の出席日数は9日間でしたが、高校に進学することができました。

  中学校に通っていなくても公立高校に進学できたので、自分でやる気があれば道は開けると思います。

  学校に行かなければならないのではなく、自分自身の意思が大切だと思います。

  学校に行かないことは「逃げ」ではありません。

  学校に行かないのは「逃げる」こととは違うと思っています。


 以上で紹介を終了します。

 似たような気持ちや思いのあるかたがいると思います。

 ただし、様子や状況、気持ちは、それぞれ個々に違うこともご承知おきください。

 さて、次回も「不登校を経験されたかたのお話」第二弾です。

 来週月曜日、5月25日(月)午前10:00にアップロードの予定です。お待ちください。

不登校の考え方2「個々の生徒の実態に応じた支援」

 前回の新学習指導要領(平成29年告示)の総則第3章第4節2(3)不登校生徒への配慮

 その最初の項目「ア」について、総則の解説書の記述を掲載します。


(3)不登校生徒への配慮

  ① 個々の生徒の実態に応じた支援

ア 不登校の生徒については,保護者や関係機関と連携を図り,心理や福祉の専門家の助言又は援

  助を得ながら,社会的自立を促す観点から,個々の生徒の実態に応じた情報提供その他の必要

  な支援を行うものとする。

 ※引用者の注 (以下の3点は実際の文章と違います。ご了承ください。実際に原典をご確認ください。)

1 最初の法令部分は省略します。

2 本文中の太字部分は、大変重要な箇所ですので、下線で太字としました。

3 また、本文の長さの関係から、一部省略をしてあります。


 不登校生徒については,これらの法令等に基づき適切に支援を行うことが求められている。その際,留意する点については以下のとおりである。

 不登校は,取り巻く環境によっては,どの生徒にも起こり得ることとしてとらえる必要があるまた,不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない加えて,不登校生徒が悪いという根強い偏見を払拭し学校・家庭・社会が不登校生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢をもつことが,生徒の自己肯定感を高めるためにも重要である

 また,不登校生徒については,個々の状況に応じた必要な支援を行うことが必要であり,登校という結果のみを目標とするのではなく,生徒や保護者の意思を十分に尊重しつつ,生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要がある

 不登校生徒への支援の際は,不登校のきっかけや継続理由,学校以外の場において行っている学習活動の状況等について,家庭訪問も含めた継続的な把握が必要である。

 さらに,不登校生徒の状況によっては休養が必要な場合もあることを十分留意しつつ、学校以外の多様で適切な学習活動の重要性も踏まえ,個々の状況に応じた学習活動等が行われるよう支援することが必要である。(以下省略)

 加えて,家庭で多くの時間を過ごしている不登校生徒に対しては,その状況を見極め,当該生徒及び保護者との信頼関係を構築しつつ,必要な情報提供や助言,ICT等を通じた支援,家庭等への訪問による支援を行いことが必要である。

 さらに,不登校生徒が自らの意思で登校した場合は,温かい雰囲気で迎え入れられるよう配慮するとともに,保健室や相談室や学校図書館等も活用しつつ,安心して学校生活を送ることができるような支援を行うことが重要である。

 こうした支援を行うためには,学級担任のみならず教育相談担当教師など他の教師がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフ等と連携・分担し学校全体で行うことが必要である。加えて,必要に応じ,福祉,医療及び民間の団体等の関係機関や関係者間との情報共有を行うほか,学校間の引継ぎを行うなどして継続的・計画的な支援を行うことが重要である。その際,学校は,当該児童生徒や保護者と話し合うなどして「児童生徒理解・教育支援シート」等を作成することが望ましい。


 まずは、こうした考え方や理念を皆さんで共有しましょう。それがスタートです。

 明日から1週間に1回程度、「不登校を考えるシンポジウム」からの実例をご紹介します。

 まず、第一段は、明日(5月22日・金)午前10時にアップロード予定です。

 「不登校を経験されたかたのお話」の紹介です。乞うご期待!お待ちください。

不登校の考え方1(学習指導要領・総則)

 新学習指導要領(平成29年告示 小学校:令和元年から実施/中学校:令和2年度から実施)には、次のように示されています。


 総則の第3章「教育課程の編成及び実施」

  第4節「生徒の発達の支援」 2「特別な配慮を必要とする生徒への指導」

 (3)不登校生徒への配慮

   ア 不登校生徒については,保護者や関係機関と連携を図り,心理や福祉の専門家の助言

    又は援助を得ながら,社会的自立を目指す観点から,個々の生徒の事態に応じた情報提

    供その他の必要な支援を行うものとする。

   イ 相当の期間中学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒を対象として,文部科

    学大臣が認める特別の教育課程を編成する場合には,生徒の実態に配慮した教育課程を

    編成するとともに,個別学習やグループ学習などの指導方法や指導体制の工夫改善に努

    めるものとする。


 以上のような考え方や方針でこれからの不登校を考えていくことになります。

 ※なお、「生徒」とあるのは、小中別の学習指導要領ですから、小学生の場合は「児童」と読み替えてください。

 さて、次回は、この学習指導要領の解説を紹介します。「不登校生徒への配慮」に関する説明です。

 本日(5/21・木)16:00ごろアップロード予定です。お待ちください。